2012.5.8
n 電車の中で見た美術館展示広告。 そのポスター写真がちょっと気になり、キーワードを頼りにネットで調べてみた。 「KATAGAMI Style展」。 日本の型紙とファブリックとに、どんな関係があるのだろうか・・・・。 連休の1日、展示会に行ってきました。
n 写真は、オーストリア、バックハウゼン社の店頭にある生地です。(※茶色のものは、展示会で買ったポストカード。) 会場にソファとして展示してありました! このデザインが日本の「型紙」を参考にされたものだとは・・・、しかも1901年のデザイン。 名前は「神託の花」。 ざっと100年以上も前のデザインですが、現代に見事に生きているのには、驚きです。
これのみならず、皆さんよくご存知のウィリアムモリス、リバティ、ティファニー、ルネ・ラリック等々、沢山の芸術家に多大な影響を与えていたのです。 以前<2008年>にコラムでご紹介しましたが、ヨーロッパの生地には日本を髣髴させるモチーフが沢山あります。 少なくとも浮世絵を代表とするジャポニズムの影響を受けている・・・くらいの認識しかありませんでした。 しかし、この展示会を見て初めて、日本モチーフの影響のルーツを知ることができたような気がしました。
n これまで、日本人が好むファブリックには、ある傾向があるのでは・・・、漠然と思っていました。 もちろん理論などは無く、感覚でしかありません。 今回の展示会を見て、これまでのこの曖昧な感覚は、私個人としての確信に変わったほど、影響を与えてくれた貴重な展示会でした。 ちょっと大げさに言えば、 「日本人のファブリックの好みや選択は、どこかで見慣れていたモチーフの記憶とともに、我々の中にあるDNAが無意識のうちに呼び起こされた結果ではないかと・・・・」。
【コラム後記】
400点を集めたという展示品の所有者は、英国V&A美術館、リバティ社、パリ装飾美術館、ドイツ・ドレスデン工芸博物館、アメリカ、オーストリア等など・・・。 逆に考えれば、これだけ多くの地域で、そして多くの芸術家に影響を与えた「日本の型紙」ということになります。 また、それらは工芸品であるアクセサリー、食器、家具、ポスター、インテリアファブリック、敷物、ランプ、そして建築物など、多岐に渡るデザインに影響を与えていたことを確認できます。 これらの試みは、日本では初めてとのこと。 ここまで研究成果をまとめ上げ、展示にこぎつけた人々の努力に、ブラボー!!
※日本経済新聞社レビュー →こちらから。
※「KATAGAMI Style」展、詳細は→こちらから。
2012.5.2
n 皆さんどなたでもお持ちの丸型のスツール用の、当教室人気カリキュラムの「フリルつきスツールカバー」。 期せずして皆さん、作品が同じようなタイミングで完成したので、まとめてのご紹介です。
n 写真上ふたつの生地は、偶然にも英国Jane Churchillの生地です。 もちろん、生徒さん同士、相談されてはいません(笑)。 この作品には辛口のチェック柄がよく合います。 2個作成(写真中)された、J-san。 教室で1つ作成され、残りは家で、フリルを取付ける時に間違って裏表にされたそうですが、見事に完成。 スツールの色と生地の色が、ピッタリマッチです!!
それにしても、さまざまなスツールの形がありますね~。
※どの作品も、座った時にカバーが椅子から滑り落ちない工夫をしています。また、中のウレタンもサイズごとに発注が可能です。
2012.4.24
2012.4.11
n モールドは、ヘッド(頭)とも呼ばれ、その素材は主に、木でできていて(wooden mould)、中心部分に紐を通す穴があいています。 大量生産されるタッセルには、プラスチック素材が使われているのを見かけたこともあります。 身の回りにある、使えそうなものを代用する・・・、柔軟な発想でタッセルに挑戦するのも、オリジナリティ溢れるタッセルを完成されられるかもしれません。
n モールドのサイズは、小さいタッセルであれば小さく、大きなサイズのものを使えば大型のカーテン用へと、全体の大きさが左右されると同時に、タッセルのデザインをも左右する重要なパーツと言えるでしょう。 また、1個だけの木型を使うのではなく、異なる形をしたモールドを組み合わせて使う場合もあります。 その例はコラムvol.107こちらからどうぞ。 またスカートを取り付ける箇所は、ウェストと呼ばれます。写真の木型は、トリニティのコレクションです。
n 木型(モールド)をカバーする方法は、
1) コードを巻く
2) 本体の糸束を作業用糸で繰り、カバーする
3) また木製は、ペイントし、オリジナルな模様などを描くのも可能ですね。 (そのうち挑戦したいと思っています・・・・。)
■ 【おまけ】: モールドの装飾
上記の方法で木型のカバーが終わったら、更にその上から、さまざまな装飾を施すことも可能です。 写真は、「ネット状の編み飾り」や、「スネーリンク゛」という飾り、「ストライピング」といって縦にコードを飾るものなどがあり、複雑、豪華になっていきます。 やはりこれらの装飾のどれを使うかは、タッセル全体のバランスや、どんな雰囲気にしたいかを考える必要があるでしょう。
※写真作品は、すべてTrinityの制作です。
記事掲載: 2012年4月
参照本: 『TASSEL MAKING』 P39., Author by Anna Crutchley, Publisher: Southwater
JUGEMテーマ:JUGEM
2012.3.29
n 「初めてのお使い」、ならぬ初めて古本の処分に「BOOK OFF」さんにお願いしました。 大量にあったので、取りにきてくれるのは確かに便利だな、と思います。 用意したダンボールに入りきらず、もう本棚から直接玄関先に積んでしまいました。 もう、数えるのも面倒です。「さぁ~て、本棚スッキリ。 また新たな知識が並ぶ!? 」なんて思いながら、結局ダンボール4箱分をお持ち帰りになりました。
n 後日、電話で査定金額のご連絡をいただきました。「2,520円、エッ~、そッ、そんなもん????」と驚くほど低い査定にビックリ!! お世話になった本たち・・・・、再度読み返す気力もなく、結局それでおしまいにすることにしました(泣)。 英語のOFFには、古くなったという意味がありますが、売る側からすると、「The deal is off. (この取引は成立しない。)」のが、「BOOK OFF」と、妙に納得した経験でした。
2012.3.3
n スカートの部分が糸そのものではなく、撚って作る「ブリオンフリンジ」が、スカートに使われているタッセルを「ブリオンフリンジ・タッセル」と言います。 vol. 154チェアタッセルの使い方でご紹介した、Duresta社のソファにも使われていましたが、今回の例は、カーテンを束ねるものではなく、バランスや、ポールから下げて飾る例です。 このタッセルを使うその対象物は、やはりボリュームのある大きなものが多いと感じます。
n カリキュラムの中でも提供させていただいていますが、作る場合、少し広めのスペースを必要としますね・・・・。
■ その他の「タッセルの使い方一覧」は、→こちらから。
JUGEMテーマ:JUGEM
2012.1.27
n 今回は、パスマントリー(Passementrie)の一種である、ブレードの使い方です。 紐状の飾りテープは、縁飾りとして皆さまも馴染みがあるのではないかと思います。 またその用途は幅広く、椅子やカーテン等、さまざまなものに適用できます。
n 写真(上)はクッションに用いた例ですが、いくつかの生地を組み合わせてサイズを構成する場合、その縫い目を隠すと同時に、アクセントの役割も担ってくれます。 生地が足りない(!?)場合なんかも、こんな方法で役立ちそうです (笑)。 ちなみにクッション端についているのは、ブリオン・フリンジ。 写真(下)は、店頭で販売している各種ブレードです。
※ その他の使い方一覧表は、→ こちらから。
JUGEMテーマ:JUGEM
2012.1.24
n 今回は椅子やソファに使われているケースをご紹介します。 まず、写真上はソファ・アームのフロントに飾られたケースです。 タッセルはどちらもローゼットと組み合わせたデザイン。 ソファもクラシックなイメージです。
n また、下の写真は、創業1938年という英国最高峰のソファメーカーとして名高い、デュレスタ(DURESTA)社のソファですが、アームの部分を倒して使用する場合、タッセル紐を緩め角度を変えて使われます。 日本ではあまりお目にかかれないタイプかもしれませんね。 もっとご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
→ DURESTA社 (英国)
n また、椅子カバー作品に、こんな使いかたも・・・・→ 2007年4月コラムvol. 7
※その他、「タッセルの使い方一覧表」は→ こちらから。
JUGEMテーマ:JUGEM
2011.12.15
n 自由ヶ丘は、インテリア雑貨のお店がとても多いと感じます。 最近は滅多に欲しいものが見つかりませんけど、これは便利そう・・・と、最近購入した「ドアフック(498円)」です。 動物柄が入っていますが、私はハリネズミのやつを買いました。 (※象さんやお馬さんなどがありましたので、きっと子供向けなんだと思いますが・・・・<笑>) n ドアの上部にひっかけ、その下のフックにハンガーをかけます。 ドアの後ろにセットすれば、廊下側からはハンガーにかけたものが見えないところがいいですね。 帰宅後、どうしても洋服をすぐクローゼットに入れたくないので、ここでひとまず休ませてからしまうのに最適。 重宝しそうです。
JUGEMテーマ:JUGEM
2011.12.8
n インテリアに興味のある人は、きっと知っているこのデザイナーさんの名前と椅子のシリーズ。 写真は、「LA MARIE」という名の椅子である。 ポリカーボネイトでできていて、この透明感が空間に邪魔をしないだろう、と思い開店当初、店頭でクッションなどのディスプレイに最適かなと購入したものである。 しかも、購入先は家具のリサイクルショップ。 しかし、なぜこれがリサイクルショップにある・・・・!?
n 掃除機をかけていて、フッと以前からこの椅子に関して、気になっていたことを書こうと思う。まず、座面の高さは、48cm!! デザイナー用の海外の参考書 (『Architect's Pocket Book』)を見ても、標準の椅子の高さは44cm。 ましてやの日本の椅子の高さは通常42cmなのに5cmも高い。 現実的に手持ちのテーブルに合わせようとすると当然バランスは悪く、居心地の悪いものなってしまうのは、当然である。
n 椅子は、ネットでも簡単に購入できる時代。 是非是非、デザインのみならず、自分ですわり心地などを確かめてから購入して欲しいものである。 私がラッキーにも超格安で購入できた背景は、きっと不都合な理由があり、手放した人がいるからに違いないだから・・・・・。
※参考: こちらのフィリップスタルクの椅子の座り心地はGood!!
JUGEMテーマ:アート・デザイン