• vol.20 創作意欲と布の関係

    2008.6.17

    創作意欲・・・。よしッ、これを作ろう!!  この生地を使い、こんなイメージで、なんて思う、この「創作」と「意欲」という関係がとても曲者である。以前から実感として思っていることを書いてみましょう。
    何か作品をつくる場合、いくつかのアプローチがあると思う。ひとつ目は、生地を見た瞬間に作品イメージが決まってしまう場合がある。「あっ、この生地はこんな作品に仕立てたら素敵だわッ」と思うもの (これは、ほぼ直感と言うか、即決デス。) 二つ目、「これを作りたいんだけど・・この作品に合う生地を探そう!」こんなケース。これが結構時間がかかったり・・するしれません。なかなかビビッとくる生地が見つからないからです。
    ある生徒さんが、ティーコージーに取り掛かかり、次に出席した時に生地が変わっていたのです。「あれ? この前の生地と違うみたいですけど、どうしたんですか?」 「どういう訳か、あの生地は、やっていて創作意欲が湧かないんですよね~」 いやいや、わかります。実は、私も作成途中で投げ出した経験があります。ピンクのシャンブレーでダブルフリルクッションをイメージし、開始後フリルをつける段階で止めてしまいました。なぜって、それはフリルデザインの甘さと、そして色のもつ甘さで、作っている最中に段々気持ち悪くなってきたからです!
    これはあくまでも個人の感覚?? いえいえ、そうではありませんでした。長年業界でお仕事をされている方がこのクッションを見て一言。「このチェック柄だから、フリルが生きるのよねぇ~」「いやー、わかってくれましたかぁ。この生地を使った意図が・・・。」(作り直した努力が報われた瞬間!!) 甘いデザインには、やはり若干辛口デザインの生地の方がしっくり馴染みます。 生地が持つ柄や色、そして作品とのバランスがいかに大切なことかわかっていただけたら、今回のコラムも価値あり、でしたね!! 但し、これはあくまでも”好み”の問題ですので、ご参考までということに・・・。
    【チェック柄の生地に変更された、ダブルフリルクッション】

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