• vol. 23 こころに沁みる言葉

    2008.9.17

    ■今借りている一室がある「魚菜ビル」は、70年代にTVのお料理番組でもよくお見かけした、田村魚菜さんのビルである。 先日、その敷地内の隅にひっそり建っている石碑を見つけた。「あれ、こんなところに石碑がある。 今まで気が付かなかったけど何だろう?」

    ■「美しい花には、隠れた根の力がある」石碑にかかれたこの言葉は、当然お料理に関するものと解釈するのが自然だろう。 ”おいしいお料理を作るには基本を学び、さまざまな失敗や、修練を積み重ねて出来上がった根本があるからできること・・・” の意と、勝手に解釈しましたが、しかし実にいい言葉です。 
    ■「守・破・離 (しゅはり)」
    これを考えていた時にふと脳裏に浮かんだ言葉が「守破離」。さまざまな解釈がある中、独断解釈でいえば「守」とは、まずは師の教えを忠実に守り身につけ、そして「破」とは、今まで学んだ師の教えから一歩進め、他の学問、他流の教え、他の技を取り入れることを心がけ、更にその技や学問を発展させよ、という意味である。最後の「離」とは、守も破も超えた新しい世界を切り開き、独自のものを生みだす、という意味である。それぞれの言葉の表現は違うが、学ぶことについての本質は同じではないかと思う。土台がしっかりしていればこそ、その上で新たな変化を遂げていけるんだと・・・。こんなことを考える時間をくれた句碑に感謝!!

  • vol.22 シェード vs ブラインド

    2008.8.19

    ほんとに毎日暑い日が続いています。外を歩く時も、なんとなく「日陰: shade」を選び、「日よけ: Blinds」を歩いてしまいますねぇ~!? さて何の話かって。今回はカーテンの一種である、タイトルについてです。
    いろいろな呼び名も、誰かが最初に命名したのであって、オギャーッと産まれたその時に、何を見たかで一体それが何であるかを知るように、私は、英語でその識別を最初に覚えてしまいました。日本はアメリカ英語が主流なので、その呼称は自ずと米語になっています。当初、私は日本での呼称である「シェード」を「ブラインド」といい続け、業界の方を相手に、なんと話の通じない人なんだろう・・・と思っていました。(まぁ、今となっては恥ずかしながらも、懐かしい話デス。ハイ。) 日本ではその機能性から、更に3つに分類され(①シェード、②スクリーン、③ブラインド)、私の混乱は収まるところを知りませんでした。 今でも時々混乱します。
    私のアンチョコ表

    【日本】 【英国】
    シェード(Shade) ブラインド(Blinds)
    ※形状、スタイルは同じですが、そのスタイルの呼び名も、夫々下記のように違います。
    ■シャープ ■ローマンブラインド
    ■ピーコック ■ファンテイル
    ■オーストリアン ■フェストーン
    ■バルーン ■オーストリアン
    ■ルース ■ロンドン
    ■ムーススタイル ■ファンシェープ
    ※その他、日本にはフォールドスタイル、プレーン等も・・。

    きっと混乱は私だけだったわけで!? で、この表が役にたつ人はいないのかもしれません。カナシィーッ。

  • vol. 21 一枚のTシャツが気づかせてくれたこと

    2008.7.16

    ■先日東京駅の近くを歩いていて、何気にウインドーに飾られていた模様惹かれ、購入したTシャツ。(写真) そういえば、家にあるテーブルランプや、ヘレンドの陶器の小物入れにもこの文様があることを思い出した。(またまた、潜在的な心理の表れかもしれませんが・・・。) 最近日本の模様になぜか惹かれるものがあります。加えて日本のモチーフには、それぞれに意味(下記)や背景があり、そのストーリー性も改めてすばらしいなぁ、と思います。


    【鯉】鯉は、「鯉の滝登り」の故事から立身出世を意味する吉祥柄とされています。黄河上流の龍門という急流難所を鯉が登り切れば龍になるという説話から「登竜門」という言葉が生まれたと言われています。日本では鯉は出世魚として好まれ、端午の節句に男児が立派に成長するように願う鯉のぼりが立てられます。
    ■ 写真(下右)の生地は実際のイギリスのメーカー(Osborne & Little)のものですが、日本の模様と思われるモチーフが使われています。(店内生地) 日本模様は、根強く海外へ影響を与え続け、新しく発表されている生地にも、明らかにそのモチーフは、日本のそのものに斬新さを加え、デザインされていることを見ることができます。

    【乱菊: らんぎく】菊の花びらを大きく描き、入り乱れて咲いたように表した華やかな菊模様。この大胆な乱菊だけで模様が描かれたのは、大正の終わりから昭和の初めてにかけての斬新な傾向の着物の柄としてでした。第二次大戦後には大きな菊を白黒赤などの大胆な色使いであらわしたモダンなデザインで描かれました。シンプルでゴージャスといった、アメリカ人が好むようなジャパニーズモダンが流行したのです。東洋的なイメージから1890年代に流行したヨーロッパのアール・ヌーボーの流れを汲みつつ、戦後日本で流行した、動きのある菊だけの大胆な構図のこの柄は当時キリッとした着こなしを好む新しい時代の女性をイメージする柄である、常に今を生きる女性達の完成に大きく響くのです。               
    青字の模様説明の情報提供: 株式会社亀田富染工場/Pagong 様
    ■ 最近海外の生地を見ていて気が付くこと、それはほとんど「自然」を写している、ということでしょうか。 代表的な「花の柄」、その中に鳥が飛んでたり・・・。 海外の生地デザインに日本の柄が使われる昨今の海外トレンド。 日本のインテリア生地も、もっともっと素敵なデザインが沢山出てくる素地は整っている。 頑張れ、日本のテキスタイル!!

  • vol.20 創作意欲と布の関係

    2008.6.17

    創作意欲・・・。よしッ、これを作ろう!!  この生地を使い、こんなイメージで、なんて思う、この「創作」と「意欲」という関係がとても曲者である。以前から実感として思っていることを書いてみましょう。
    何か作品をつくる場合、いくつかのアプローチがあると思う。ひとつ目は、生地を見た瞬間に作品イメージが決まってしまう場合がある。「あっ、この生地はこんな作品に仕立てたら素敵だわッ」と思うもの (これは、ほぼ直感と言うか、即決デス。) 二つ目、「これを作りたいんだけど・・この作品に合う生地を探そう!」こんなケース。これが結構時間がかかったり・・するしれません。なかなかビビッとくる生地が見つからないからです。
    ある生徒さんが、ティーコージーに取り掛かかり、次に出席した時に生地が変わっていたのです。「あれ? この前の生地と違うみたいですけど、どうしたんですか?」 「どういう訳か、あの生地は、やっていて創作意欲が湧かないんですよね~」 いやいや、わかります。実は、私も作成途中で投げ出した経験があります。ピンクのシャンブレーでダブルフリルクッションをイメージし、開始後フリルをつける段階で止めてしまいました。なぜって、それはフリルデザインの甘さと、そして色のもつ甘さで、作っている最中に段々気持ち悪くなってきたからです!
    これはあくまでも個人の感覚?? いえいえ、そうではありませんでした。長年業界でお仕事をされている方がこのクッションを見て一言。「このチェック柄だから、フリルが生きるのよねぇ~」「いやー、わかってくれましたかぁ。この生地を使った意図が・・・。」(作り直した努力が報われた瞬間!!) 甘いデザインには、やはり若干辛口デザインの生地の方がしっくり馴染みます。 生地が持つ柄や色、そして作品とのバランスがいかに大切なことかわかっていただけたら、今回のコラムも価値あり、でしたね!! 但し、これはあくまでも”好み”の問題ですので、ご参考までということに・・・。
    【チェック柄の生地に変更された、ダブルフリルクッション】

  • vol. 19 英国クイズ

    2008.5.19

    ちょっと趣向を変えて、今回は英国にまつわるクイズといきましょう。ここに2枚の写真があります。さて、一体これはなんでしょう?
    【Q1. 写真上: 戦車のようなコンテナ。道端においてあるこの箱の用途は?】
    【Q2. 写真下: 足が移っていますが、さてこの乗り物とは?】

    答え
    A1. これはイギリスでOxfam(オックスファム)という団体が運営している「Clothing & Shoe Box」のコンテナです。不要な洋服等を皆さんここに投入して・・。それらは「チャリティ・ショップ」の店頭に並び、必要な人が購入すればそのお金がガンやエイズ撲滅のためのチャリティにも貢献することになるわけです。要はリサイクルボックスの究極の位置づけですね。この団体は、イギリスだけでなく世界100カ国以上で様々な形で活動されているようです。
    洋服の入れ替え時期・・・会社人間を辞めてしまった私のクローゼットにはいわゆる戦闘服っていうんですか、「スーツ」が眠っていて・・・。捨てるには忍びないし、さて、さて一体どうしたものか!?  このコンテナがあったら真っ先に投入するんですけどねぇ~。
    A2. これは、イギリスの地下鉄(Tube) の中。なんと、前の人との距離がこんなにも近い!!  きっと日本の地下鉄の中で同じ構図で撮ったら、前の座席の人は写らないかもしれません。(やったことはありませんけど。) 因みに真ん中は私のアシです。アシしからず。

  • vol.18 ビーズタッセル付きティーコージー

    2008.4.13

    ■ロンドンにある通称V&A (正式: Victoria and Albert Museumヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)は、私の好きな博物館のひとつ。 昨年12月のコラムにも書かせていただいたナショナルギャラリーも素晴らしいが、V&Aは特に芸術とデザインに関するコレクション内容とその数の多さは素晴らしく、3,000 年余りに及ぶ多彩な世界文明の遺物がコレクションされています。
    ■今回の新たな発見と驚き!! ウッーこの感動を誰かに話さずにいられよか・・・。「ねぇ、ねぇ、見て見て。これってすごいと思いません? だって1860年のこの時代に既にガラスのビーズタッセルがついたティーコージーがあったなんて!! 今のビーズブームも真っ青デス」。

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    >> V&A MuseumのWebサイト, ホームページ
    ■TEA COSY About 1860
    Techniques & Materials: Glass beads on a linen canvas ground lined with silk; with twisted silk braid trimming and silk and glass tassels
    Place of Manufacture: Probably embroidered in England
    Height: 27 x Width: 46 x Depth: 7.5
    【Object Type】
    This tea cosy decorated with glass beads is a typical example of mid-19th-century amateur embroidery. The design of roses and lilies on a bright blue ground is characteristic of popular floral design in the 1850s and early 1860s. The cosy would have been kept for special occasions and used with the ‘best’ silver or porcelain tea pot when entertaining important visitors for afternoon tea.
    【Materials Making】
    Beads were popular for all forms of Victorian embroidered decoration on dress and for a wide range of domestic items in middle-class homes, such as upholstery, cushions, bell-pulls and fire screens. The glass industries of Germany and Italy produced and exported vast numbers of glass beads for this use in a wide variety of colours. The beads used in this example were known as ‘pound’ beads as they were purchased by weight. This tea cosy is decorated with two popular types: those in bright opaque colours and others in translucent clear shades.
    【Gallery Label】
    This tea cosy would have been made from a kit or perhaps from a pattern in a ladies’ magazine. It would not have been used in fashionable homes, as it was advised that a tea cosy ‘should never be seen in a lady’s drawing room’. Instead, tea cosies became popular in more modest homes.
    Given by Mrs M. O’Meara
    Museum no. Circ.177-1963

    ※掲載許可申請中。幻の写真に終わるか・・・

  • vol.17 Web上の作品展 ソフトファニッシング

    2008.3.13

    今回は、生徒さん皆様の個性溢れる様々なすばらしい作品のご紹介です。もちろん全ての作品掲載とはいかず、私のデジカメの中に残っているほんのごくごく一部。今後はきちんと計画的に作品を取り貯め、沢山の素晴らしい作品をご紹介していきたいと思います。
    【香織さんのブログと作品】>> ソフトファニッシング作品: レースカーテンとランプシェード、そしてボルスタークッション
    そして、ティーコージー(with 手作りミニタッセル)も合せてご紹介。

    【利佳さんのティーコージー】リボン使いと作品の雰囲気がとてもマッチ!!

    【智子さんのランプシェード】
    ダブルシェルラッフルの縁飾りが小粋デス!!

    【寿子さんのプレースマット】ビンテージ生地コレクター。今作品として陽の目を浴びて・・・。

    【山本さんのクッション】得意のスモック刺繍とのあわせ技。

    【あすかさんのボルスター】白のトリミングが冴えてます。

    【祐子さんのカーテン】踊り場に下げられたゴブレットヘディングのカーテンとフリル付きタイバック、そしてトイレの素敵なデザインカーテン!!

    ほんとに皆さんの作品に、私もワクワク感動させられっぱなし・・・です。

  • vol. 16 IKEA そして、ご縁とは不思議なもの

    2008.2.13


    日本に進出したIKEAを尋ね、ついついお買い物。飲み物フリーの魅力に、ついでに会員に。会員には『IKEA Family』雑誌(左写真)が送られてくる。数日前に2008年春号を手にし、つらつら眺めていると”リアルホーム!”という編集記事に自由が丘に住んでいる人のインテリアが紹介されていた。「ムムッ、ひょっとすると彼女じゃなぁーい!?」 めがねを(ついに買ってしまった老眼鏡。キャッ!) かけよくみると、やっぱりそうだぁ。
    彼女と出会ったのは、昨年秋。ふらっと店に立ち寄ってくれ、暇だったこともありインテリアに関する様々な話に花が咲き、座り込んで話し込むこと2時間近く。その後、会話の中の彼女の課題に対して、私が提案した内容を受け入れてくれ、結果、彼女のための特別「座学コース」が仕上がった。 そして今通ってきてくれている。ビジネス立ち上げ時から、私の計画書の中に記載しているプランだ。縫うという行為は最終章。やはりインテリアの背景や理論を理解して初めて、いいインテリアやソフトファニシングのプランニングができる・・・これは持論。お蔭様で彼女にはとても満足していただいている、と同時に私も自分がやりたかったことへの最初のきっかけをくれた彼女に大いに感謝している。ありがとう、Ms. YH。今後の益々のご活躍を祈念しています。出会いってほんとに不思議なもの、ですね!
    取材後日談・・・
    後日、彼女が取材裏話を教えてくれた。英国からわざわざカメラマンや取材スタッフが5~6名訪問したそうだ。(ヒョエ~ッ!) 初日は下見。そして本番当日は、下見の時にスタッフが足りないと感じたお花や小道具を追加してくれたそうだ。すごい念の入れよう・・・。さすがプロというか、遠方からきたんだからそれもそうかもしれないなぁ、なんて思いました。様々な言語に訳され、きっと世界のイケアファンの目を楽しませているでしょう。
    (掲載ページP28~P35)

    2008/02/13記載

  • vol.15 楽しむ

    2008.1.16

    新しい年の初め、皆さんも気持ち新たに活動を開始されたことと思います。先日、ふとある言葉が脳裏をよぎった。『これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず (子曰、知之者不如好之者、好之者不如樂之者)』おなじみ孔子の論語の一説。 『先生が言われた、知っているというのは好むのには及ばない。好むというのは楽しむのには及ばない』。という意味です。
    そういえば、この言葉は、以前勤めていたときの上司が(現在は社長)が「座右の銘」にしていたのを思い出す。当時まだ若かりし頃は、「フゥ~ん」みたいな感じで、仕事を楽しむということの実感があまり捉えきれていなかったような気がする。
    新しいことを始め、喜々として今を、そして仕事を楽しんでいることに気がついた。今年はもっともっと楽しみが大きくなる方向に向かって歩いていきたいなぁ、と思っている。今年もよろしくお願い申し上げます。

  • vol. 14 インテリアの視点で絵画を見れば・・・

    2007.12.17

    ■ 絵画は、描かれたその時代性や地域性を反映して描かれていますから、ちょっと視点を変えて眺めてみると、いろいろおもしろい発見があるものだと常々思っています。
    例えば、左の絵、皆さんおなじみのゴッホによって描かれた絵「椅子」(1888年)。フランスのアルルで短い期間をゴーギャンと住んだ時に描かれたもので、ハンス・J・ウエグナーのYチェア(1949年)のデザインに通じるものを感じると同時に、こんな椅子をおいたらきっとお部屋もプロバンス風!?

     

    ■ また、左の絵はロンドン、ナショナルギャラリー所蔵の「The ambassador(大使たち)」。1533年にハンス・ホルバインによって描かれたものですが、(実物の大きさは、横3mほどもあろうと思われるとても大きな絵でした。) その頃日本では、畿内各地で一向一揆が起き、興福寺が焼かれた時代。<ちょっと日本史を調べてみました(笑) > なんと、この絵の後ろには、ダマスク模様の緑色の生地(カーテン)が存在している。そして、キャビネットの上にはタピストリーが!! インテリアに関する歴史の長さをつくづく感じさせられます。
    もっと詳しく見たい方は、こちらでどうぞ。
    >> ナショナルギャラリーのWebサイト

     

    ■ 海外旅行で美術館に足を運ばれた際には、絵そのものを楽しむと同時に、視点を変えて見る絵画は、もっと興味深いものになるかもしれませんね。ひょっとすると感動もの!?

     

     

     

     

    2007/12/17記載